2009年4月22日水曜日

Agile Japan 2009に行って来た

Agile Japan 2009に行ってきました。

なんと、リーン開発のメアリー ポッペンディーク氏がやってくるイベントです!
対象者が管理をする立場のイベントでは女性比率が高くなる気がしますが、思ったより少なかったかなぁ。でも一割くらいいたかな?

キーノート


「ソフトウェア開発現場に求められる新しいリーダーシップ 〜アジャイルに見る大野耐ー、デミングの影響〜」
メアリー ポッペンディーク氏

「教育」についての流れを1900年の時代からどう変わって行ったのかというのを時系列に説明が始まりました。
1920年では戦艦などを作るために教育プログラムがあったが、その中には既に
”生徒が学んでいないのは教えていないから”という文句があった。
1940年では戦時中の企業内訓練という時代に、”人の教え方、扱い方””教育のスキル”などのキーワードが。
1950年にはトヨタ生産方式としてのJustInFlow,ポカヨケ,カイゼン
1980年にはデミングが。

随分昔から、”教育をする人のスキル”について考えられていて、トヨタやデミングなどで何が重要なのかのヒントが与えられた感じですね。

リーダシップに必要なのは、
”ビジョンを維持すること= 目的は譲らないこと。”
”ファシリテーター”

今回に限らず、アジャイルの話の場合 「リスペクト」 という単語がよく出てきますが、これをチームみんなが感じるためにはリーダーシップの導きというのが必要になると思います。
リスペクトというのを和訳すると尊敬とか敬意になりますが....そういうと、対象物が”人”って感じを受けますが、リスペクトって人に限らず、モノだったり、仕事自体だったり...ですよね。なので、私は 尊敬 というより、リスペクトという単語が好きです。

そうそう、話はメアリーが話してくれたのですが、言葉の中に、「カイゼン」とか「ゲンバ」とか出てくるのはなんか良かった。
そういう言葉が海外では単語として通じるという事は知っていたけども、生の英語で聞くとおおー!って感じ。
しかもメアリーの発音は凄く良くわかりやすくて、人を引きつける雰囲気を感じました。

Toyota Production System
Thinking People System

トヨタ生産方式ってカンバンとか..有名なモノはあるけど、本質は "人が考える" という事。
大野耐一の「標準」の話も、その後に話された黒岩氏も同じ事を言ってました。
標準を変えずに守り続けているのは、それこそ無駄働き。
標準を作るのは、それを守るため ではなくて、比較物がないとどれだけカイゼンされたのかが分からないから。

Q&Aの所では、トムも登場!いたんですね、トム。
メアリーもトムも結構お年を召していると思うのですが、夫婦揃ってこぅやって一線で活躍しているのは、本当に凄いなぁー。見習わなければ。

あわよくばサインを貰おう!と思って「リーン開発の本質」の本を持って行ったのですが、サイン機会がなく残念でした。。


「ソフトウェア開発に生かす、トヨタ生産方式モノづくりヒトづくり」
黒岩 恵氏

トヨタ生産方式を知り尽くした黒岩氏による説明でした。
色々脱線が多かったですが...その原因って...「製造の話でしょ?ソフトウェアは違うんだよ」って反応が日本では多かったからかなぁ...海外の方が受け入れてもらいやすいらしいです。
強調されていたのは、「多能工を作る」「自律的運営」「Know howよりKnow why」
製造業のイメージとしては、できるだけ細かく分業して...あなたはこのネジを入れる人、あなたはネジを止める人 みたいな...やった方が効率がいい?って思ってたんですが、そうではなく 色々な作業ができる多能工を作り、自分たちで考る という方が結果効率が良いと。

ここで気をつける必要があるのは、アメリカと日本の違い。アメリカの場合、色んな人種の人がいてマニュアルが有った方が効率がいい時が多いけど、日本は違う。
それなのに、トヨタ生産方式が日本よりも海外の方が受け入れてもらいやすいって状況は、日本人としてちょっと恥ずかしいです。。

あと、へー!って思ったのは、「コンピュータを使わなかったからこそ、色々考え工夫した」ということ。
情報の先出しが良くない...という事で先出し情報パネルの前に隠すパネルがあったり、エアーシューターで管理していたり...という写真が見れました。
アナログで残しておく所って重要ですね。


お昼 + LT

面白かったのは、「大阪のおばちゃんはアジャイラーだ」というもの。
話し好き、おせっかい焼きってのは、アジャイラーで必要なコミュニケーション能力なんすね!


スピードがすべてを駆逐する 良品計画事例

このセッション、面白かったです。
良品計画ではシステムの一部を内製化したのですがそのお話でした。
内製化したのは、要望/要件が固まりにくい管理系の所。レジやEDIの所は要件が或る程度固まっている所なので、そこは外部委託にし、情報は 一切データを加工しないローデータ のまま内製化したシステムに配信する仕組。
内製化システムは、最初から100%を求めず、70%ぐらい決まった時点で開始。1〜2週間位のサイクルで、早くに試して早くに修正して...で開発期間が短く。

内製化したシステムは「ユニケージ開発」というのが行なわれたとの事。
ユニケージ開発というのは、ミドルウェア/DBは一切なし。
シェルスクリプトのコマンド+ファイルですべて開発を行なうというもの。
コマンドはパイプで繋げて作って行く。
これで、ステップ数は1/50(だったっけ?) パフォーマンスは 20倍。
直ぐにプログラムが書けるから、プログラムは使い捨てでOK.

凄い〜!! なんか感動です。
70%ぐらいでスタートを切った事、ローデータのまま受け取る事などの方針は素晴らしいって思うし、コマンドだけでプログラムを作る事...そういう発想が私には無かった。
んー、Javaで皆開発してるから...そこに why? ってのが無かったなぁー。


コミュニケーションタイム

6つ位に分かれて、好きなセッションを聞くってものでした。
ですが...1つの会場内だったので、マイクなしの声は大変聞きづらかった。半分ぐらいは聞こえなかった。あれは次回カイゼンして頂きたいww
私は プロジェクトファシリテーション相談室 というのに行ってきました。
びっくりしたのは、カンバンとかやっている人が結構多い!その場では半数以上は手を挙げてましたよね??
Myホワイトボードを持って来ている人がいて、それも使いやすいように自作されている!
私もMyホワイトボード欲しくなった。今度100円Shopのぞいてみます。


ソフトウェア開発を成功させるチームビルディング
岡島 幸男氏

人と人との間(例えば上司と部下)にある、見えない壁 これは何なのか?
という題目でチームビルディングについての話でした。
チームビルディングについてはとても興味があります。というのも、チームでの開発 という経験があまりないんです。
チーム皆で考えてつつ目標に向かって団結して頑張ろうー!というのに憧れが。。
人の付き合いって難しいですが、いいチームというのが一番開発効率も上がるし、達成感も得られるような気がして。

見えない壁を何度も経験してしまうとチャレンジさえもしなくなってしまうのですが、そんな壁を取り除く方法があるようで。
→ 壁の存在をまったく知らない人を投入する!
そんな人をみたら、チャレンジをしなくなった人も、動き出す。



全般的に楽しかったです。
でも...企業Topを含む、管理職以上の人にもっと来てもらうため、私は辞退した方が良かったのかも。。

今日のイベントを受けて明日から何を動こうか...
職場に遊び心を!ってことで、前から気になっていた、XFDを作ってみよーかなぁーww

川口さんのページにDIYOrb - my own "extreme feedback" device for Hudsonなんてのを発見したけど...知識がなくても作れるもんなんかが不安。
組み立ててUSBに指したらOK!的なキットってないんでしょうか。。。
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