iOS10のDay1を目指して作成していたアプリは、Zones(ゾーン)という名前のトレーニングアプリ。無事リリース!
Flaskでは、FitPort, Standland とヘルスケアに関するアプリをリリースしてきて、とうとう本格的なワークアウトをするためのアプリまで到達です。
既にApp Storeには多くのワークアウトアプリがあります。巨大なRuntasticやRunKeeperと真っ向から戦うつもりはございません。
では、なぜ作ったかというと、Apple Watchユーザーにとって最良のものを作りたかったから。
ご存知のように、Apple Watchでは心拍数を測定できる。
心拍数からは、消費カロリーだけでなく、運動強度もわかる。
そんな心拍数を活用したワークアウトができれば、もっと楽しいはず。
「モバイルファースト」という言葉が以前流行りましたが、このアプリはいうなれば「ウェアラブルファースト」なアプリ。
iPhoneしか持っていない人ももちろん使うことは出来るが、Apple Watchユーザーの方がより満足できる作りになっている。
ワークアウトは、ヘルスケアに登録があるもの全てが対象。
つまり、RunKeeperでランニングして、Zovaで体幹トレーニングしたものを、Zonesでまとめてみるというダッシュボード的な使い方も可能。
Apple Watchユーザで運動している人は楽しいはず。是非お試しを!
では、このアプリの作成の経緯を入れつつご紹介。
心拍数がみたい
私は全然運動していない人。1時間も散歩すればいっぱい動いたー!と満足してしまうレベル。運動に関する知識もほとんど無し。そこにアプリ企画段階で、一緒にアプリを作成している @horiuni さんから「心拍数がみたい」という要望が。
その時は、心拍数をグラフとして表示するぐらいのイメージでしかなかったが、運動の時に心拍数はどんな感じに参考にできるのだろう?と調べ始めたのが、このアプリの最大のコンセプトのきっかけに。
運動強度の衝撃
調べていくと、心拍数で運動強度が分かるということを知る。正確な運動強度を測るのは難しく、
「普通の人がランニングしたらコレぐらい」という目安があるが、その人の心肺能力に左右されるので、「自分がキツイと感じるか?」という自覚による判断方法もあったりもするよう。数字信者の私には心許ないw
心拍数はそれらの判定方法の1種だが、自分の心拍数から数値として判定できるので客観的に見るにはよい方法と思う。
運動強度を知って、まずやってみたのが、自分の散歩がどれくらいの運動強度なのか?を測ること。
散歩だから、だいたい60くらいかな?と思いつつ計算してみると、衝撃の30!
その頃の散歩はIngressで遊びながらだったので立ち止まることも多く、ほぼ、普段の生活と変らない強度になっていたらしい。
当たり前の結果なんですが.....笑えた。
「歩数も1万歩超えたし、ちゃんと運動したな」って思っていたのに、それはほとんど運動になってないよって数値で言われた訳で。人間て、なんてエコなんだ(笑)
これを知って、「運動強度」が見えるの面白い! とはじめて思ったのでした。
心拍ゾーン
運動強度を分かりやすくするため、心拍ゾーンとして、目的別に4つに区切りました。各ゾーンに色をつけて、色でさっと判断できるようにしています。
自分の目安の心拍数を覚えている方もいらっしゃいますが、私は全く覚えていません。現在でも、完璧にこの ”色” 頼り。
運動中にゾーンが変わると、Hapticで手首をトントンして知らせる機能も便利です。
私のランニングは、オレンジの有酸素(CARDIO)ゾーンで走り、疲れたら歩く
というゆるいものだが、黄色の脂肪燃焼(FAT BURN)ゾーンになったら再び走る という決まりを作っている。
それまでは、一度歩き始めると、ぼーっと歩き続けてしまうことが多々あったが、Hapticのお知らせのおかげで、再び走り始める強制力に使えている。
体力アップの実感が欲しい
トレーニングは続けるのが大事。続けるには、だんだん体力がアップしてきたな!という実感が欲しい。体力アップって、どうやって実感できるだろう?と出てきた案はコレ。
- 回復心拍数が上がった
- 安静時心拍数が減った
- 同じペースなのに楽になった(=心拍数が減った)
- 同じ運動強度なのにペースが上がった
安静時心拍数は、普通の人だと65-75bpm位だが、アスリートの人は50bpm以下になったりするそうで、それをスポーツ心臓 と言うらしい。
心拍数測定ミスなどもあるし、実感を得られるほどの差が出るのは難しいかーと採用なしに。
ランニングであれば「ペースが同じなのに、以前より楽になった」「以前よりペースが早くなった」が実感できると嬉しい。
でもどんなトレーニングをしているか?によって違うので、アプリではどう見せるといいか?と議論して、辿り着いたのは、自由にカスタマイズ出来るグラフ/リスト。
設定できる項目はこんな感じ。
シンプル大好きFlaskとしてはマニアックな機能ですが、いろんな角度から情報を見ることができるので面白いと思う。
(カスタマイズは、有料オプションです)
エアロバイク事件
実は当初は、Watchでの計測ではランニング、ウォーキングをターゲットにしていたが、開発途中でメンバーが、まさかのエアロバイクを購入(笑)最終的に、いろんなトレーニングが対象のアプリに。
エアロバイクの場合、Apple Watchでは距離を推測するのが難しい。でも、バイク自体には距離はでる。...ので、測定後に距離を手入力できる機能も追加した。
最終的に対応したのはHealthで登録出来るアクティビティタイプ全種類で、70種以上。
フィットネスジムに通っている人にも是非使って欲しいな。
運動できてる?
ちゃんと運動できたか?とか、かなり頑張ってるなー!と振り返りたい。この、"できたか?" というのは、自分がどんな目標でやっているのかによって、それぞれなので悩みどころだった。
毎日できたか?
有酸素(CARDIO)以上の運動が週に60分以上できたか?
週に150分以上の運動できたか?
体幹を鍛える運動もできたか?
などなど。
それらを週単位で見れるように作成したのが以下のスタッツ画面。(有料オプション)
以前は、何分の運動時間だったか?ぐらいしか気にしていなかったが、運動強度が見えるようになってからは、高い強度の運動も意識するようになり、ゾーンの合計時間をよく見るようになった。
私の目標は、
週に75分以上 有酸素ゾーンの運動をする
その中には、40分以上の運動を週3〜4回いれる。
これ、なかなか厳しい...
最後に
Zonesアプリ開発で、今年も熱い夏となりました。
かなりキツかったので、忙しい開発は暫くやりたくない気分です(笑)
気づくと秋の気配でトレーニングもしやすい気候になっていますね。
Apple Watchユーザは日本ではなかなか見かけないのが寂しいですが、やっぱりWatchはアクティブトラッカーとしての使い方が一番分かりやすいと思う。
watchOS3でも、トレーニング目的の機能強化が多く、そっち方向に寄ったのかなという感触も。
「iPhoneでできることがWatchでもできる」 だけであれば、私もWatchをわざわざ着けない。Watchでないと出来ないことが魅力的であるからこそ..だと思う。
Apple Watchを手に入れる前はFitbitやUpを着けていたが、手動の同期なしで歩数や心拍数がiPhoneに入ってくるのがやっぱり便利。
大きい、バッテリー稼働時間が短いというデメリットはあるけども、逆に、ZonesのWatchアプリは大きな画面でカラー液晶であるからこその表現が出来ていると思っている。
Series2が発売されたし、もっと多くの人がApple Watchを手に入れて欲しいなー。