iPadのような画面サイズが大きいものだと、画面がガラっと切り替わると、その画面の内容を理解するまでに結構時間がかかります。
文字で説明を..としても、文字なんて正直みないし、読んでもその内容を理解するまでに時間がかかります。
画面の一部分だけ変更 とか、動きや影で説明ができれば、理解しようとする人の負担も少なくなるはず と思うのです。
そんな事を思っている時に、
ナショジオの Test your brain をHuluで見ました。
最新脳科学トレーニング という邦題がついていますが、一時期はやった茂木先生の番組を見ていた人にとったら、ああーあれか。という感じかもしれません。
変化の見落とし Change blindness
ある一部分だけ変更された 2枚の画像。
続けて動画で再生すると変更箇所はすぐに発見できるが、黒い画面が一瞬挟まるともう分からなくなってしまう。
ゆっくりとある部分だけ変化していく動画。
現実的に変化が起こらないはずのところだと、なかなか気づかない。
マジックとかは、選択的注視をさせられているから気づかないことが多い。
視覚だけでなくて聴覚でも選択がある。(カクテルパーティ効果)
ざわざわとしている場所でも自分の名前が呼ばれたらなぜか聞こえてしまうようなパターン。
全てを見ていたと思っていても、注意しているのは一部分で全てに注意を払うことは難しい。重要な所を即座に理解するために選択と集中が行われている。
いろいろ見てみて感じた事を私なりにまとめてみると...
生きるにあたって重要な事は判断能力が一番高い(早い)
人の顔・人の動き・影 などは即座に認識でき、補完能力も抜群に高い。人の動きなんて4点ぐらいあれば理解できるかもしんない。
影はモノを3次元で認識するのに重要な要素なので、無意識的に理解してしまう。
錯覚を使ったトリックアートを見ると、頭では理解したのにずっとだまされてしまう事があるけど、それが無意識的に反応しているという事なのだろう。
今まで経験した知識キャッシュにあるかをまず確認している
キャッシュにあればそれで理解しようとする脳で新たに理解するには結構CPUが食うんでしょうね、多分。
そして、ファジーな補完をする。
動かないもの or 動くもの を判断する
動かないもの であれば注意は向ける必要がないので、注意が向かない。動くものは危険かもしれないので注意が向く。
どんな感じに動いている を判断しているのは "影"、"大きさの変化" など。
...ということで、アプリUI設計にも役立ちそうな事は多いよなー と思ったりします。
職業病ですねw
- 画面全てを見てくれていると思わないこと。
- 注意してほしいことを絞ること。
- 注意してほしい所を動き、影、色を効果的に使うこと。
- 影を上手くつかうこと。
- 知識キャッシュにあるものを多くつかうこと。
- 新たな理解が必要な要素を一気に増やさないこと。
こうやって並べて書くと、当たり前の事になっちゃうなw
最近、思っていたより凄いーーっと思ったのは 影 の威力。凄いですよ、影。
使いやすさ と 理解しやすさ って比例する所もあるけど、そうとも限らない所もある。
使いやすさを求めて理解しやすさを捨ててしまうこともあったりも。
で、理解しやすさ を増やすのは、画面の要素を変えるだけでなく、動きなどカバーできる所が多いんですよね。
画面のワイヤーを紙に書いただけでは、全く画面設計として満たされない。
頭で動きを想像して時間かけて決定しても、実装して動かしてみたら違う結論に落ち着いたとかも数多い。
どんだけ時間かかんだよー とも思うが、面白いなーとも思うこのごろ。
そしてそんな模索中に、こんな脳科学の前提知識があると解決が早かったりするかもしれないな と思ったり。